マウイ島のエシカルツーリズム

「マウイ島は生命力溢れる熱帯の楽園だと思われていますが、島のコミュニティはすべて、非常に繊細です」と、マウイ島在住でユナイテッド航空のランプエージェントとして働くライアン・ダニエル氏は語ります。マウイには世界中でここだけでしか見られない植物や動物の数々が生息しています。しかし、常に気候変動の脅威にさらされています。マウイを訪れる前に、海洋生物と野生動物を安全に観察するためのルールを確認しましょう。

マウイ島を訪れた際には、島の歴史、自然、ハワイの文化がお互いにどう関わり合っているのかを学んでほしいとダニエル氏は語ります。訪れるべきスポットはこちら：

ワイルクにある博物館Bailey HouseのHale Hōʻikeʻike（展示館）は「ヨーロッパ人探検家が上陸する前と後のマウイの文化史を深く知るのに最適な場所」です。

カフルイの植物園Maui Nui Botanical Gardensでは、「マウイの豊かな文化遺産と、在来植物やポリネシアから移植された植物との関係」について学ぶことができます。

「Bailey HouseとMaui Nui Botanical Gardensはどちらも非営利団体。マウイ独自の文化や自然を教育、保護、保存する地元の取り組みを応援する存在として捉えられています」とダニエル氏。

マウイ島は1年以上前にラハイナで発生した壊滅的な山火事からまだ復興途中にあります。「どこに行っても、山火事の被害を受けた人々がいることを忘れないでください。それを心に留めておけば、マウイ島と島民に対してより深い敬意とアロハスピリットをもって接することができるでしょう」と、世界環境インパクトアドバイザーのマシュー・レーン氏は語ります。街が完全に復興するまでにはまだ数年はかかる見込みです。島を旅する時はそのことを覚えておきましょう。行き先を決める際には、目的地が観光客向けにオープンしているかを確認しましょう。また、バケーションレンタル（民泊）を利用する場合は、「ホテルゾーン内」にあるものか、合法的に許可されたものを選んでください。

「ここの土地、資源、文化は島に暮らす人たちに深く愛されてきました。ゲストにも同じような配慮をお願いしたいと思います」と語るのはラハイナタウン行動委員会の会長であり、マウイ・リゾートレンタルのセールス＆アドボカシー部長であるスネ・パテル氏。マウイという小さな島を持続可能なものにするには、すべての取り組みが不可欠です。使い捨てのプラスティックを避ける、マイボトルを持参する、タオルを再利用する、部屋を出る時に電気を消すなど、一人ひとりの小さな行動が重要になります。

他にも、特にハナハイウェイやハレアカラ山といった観光名所を訪れる際に、何人かで車を相乗りして行くことも有効な方法です。これらは必ず訪れるべき名所だ、とパテル氏は付け加えます。「訪れるたびに心を奪われ、島の力と美しさを実感し『はっ』とする瞬間があります。雲海から昇る日の出を眺める体験は、次の世代を守るために私たちが実践している取り組みに全く新しい視点を与えてくれます。」

Akamai Coffee Co.、Island Vibes Cafe、Wailuku Coffee Companyなど、地元のカフェで朝のコーヒーをどうぞ。ハワイで栽培された豆を使って淹れたコーヒーを味わえます。

Ku‘ia Estate Chocolate、Maui Crafts Guild、The Country Market、Tutu’s Pantryで地元アーティストのお土産を購入しましょう。

Leoda’s Kitchen and Pie Shop、Moku Roots、SixtyTwo MarcKetなどのレストランでは地元ファームの食材を使った料理を堪能できます。

島民が経営するお店やレストランを訪れることで、地元コミュニティをサポートしながら、マウイのすべてを体験することができます。さらにマウイ産のものを選ぶことは、マウイ外から物品が輸送されてくる際に発生する二酸化炭素排出量の軽減にもつながります。

ウェブサイトで「locally owned」または「farm to table」で検索すると、該当するお店を確認できます。またはMaui Nui First directoryも便利です。このウェブサイトは島に密着したローカルな旅の計画に役立ちます。ウェブサイトをスマートフォンに保存して、島に着いたらレストラン検索や次なる冒険の計画にご利用ください。また、2023年8月の山火事の被害が最も甚大だった西マウイでの食事やショッピングもぜひご検討ください。

マウイ島での休暇を考えた時に、ビーチの掃除やカロ（里芋）の植え付けは、おそらく最初に思い浮かぶアクティビティではないでしょう。しかし、滞在中に数時間だけでもそのようなボランティアに参加することには価値があります。「休暇を取ることは、何かを取ることを意味します。取る代わりに何を与えることができるでしょうか」とダニエル氏は語ります。「ギブ・アンド・テイクです。島を訪れる理由と、その滞在が与える影響のバランスを考えてほしいと思います。」

ボランティアに参加することは島に好影響を与えるだけでなく、普通の観光客が見ることのできないマウイを知ることができます。「地元の人々と会い、Maui Cultural Landsなどの団体でのボランティアを通じてハワイについて学びましょう」とレーン氏は提案します。「ロイ（里芋畑）での作業は、決して忘れられない体験になるでしょう。」

ボランティアを必要としている団体はいくつもあります。ボランティア参加申込ができる場所はこちら：

Kanu Hawai’iは、「思いやりに溢れた強靱なコミュニティをハワイ全土に築く」ことを目的とした地元の非営利団体です。同団体のウェブサイトには、年間を通じてマウイで参加できるボランティアが多数掲載されています。これまでの活動は、動物に関連するものから植林などの自然再生に関するものまで含まれています。滞在中に参加できるボランティアについてはウェブサイトをご確認ください。

ハワイ州観光局のウェブサイトにもボランティアのページがあります。ボランティア活動の種類、理由、年齢で条件を絞ると家族全員で参加できる活動を見つけることができます。観光局はホテルとも提携し、休暇中にボランティアに参加する旅行者に割引や無料宿泊を提供しています。

マウイ島を訪れるすべての人には、島をこれから何十年も美しく保っていく責任（ハワイ語でKuleana）があります。上述したシンプルなガイドラインに従うことで、この特別な場所を守ることができます。